
結論:年収や案件単価は運ではなく設計で決まります。キーは、(1) 成果ベースの価格式、(2) 再現可能な価値(テンプレ化)、(3) 信頼の証拠(ポートフォリオ/実績/運用)。本記事では正社員の年収レンジと副業/フリーランスの単価相場を“現場の出し方”で解説し、単価を上げるスキルの育て方と見積りテンプレを配布します。
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この記事でわかること
- 価値ベースの価格式の作り方(母数×率×単価のどこに効くか)
- 年収レンジ/単価相場の目安と上げ方
- “静かに回る運用”と“意思決定への翻訳”の型
- コピペで使える見積りテンプレと値上げ台本
この記事を書いた人
- 執筆者:ふみと(大手企業データサイエンティスト/マーケティングサイエンティスト 10年、年収900万円台)
- 案件実績:100件以上/資格:JDLA E資格 ほか
- スキル:Python/Tableau/SQL/機械学習/Deep Learning/RPA
なぜ“頑張っているのに”収入が伸びないのか
時間売りの罠:時給計算だと、非稼働(見積/報告/調整)が吸い込まれます。
成果の翻訳不足:コードやノートを出しても、意思決定の改善に翻訳されていない。
信頼資産の欠如:実績・テンプレ・運用がないと、発注側はリスク価格を上乗せします。
ふみとの現場メモ
在庫最適化の案件で、“壊れない仕組み”(監視・Runbook・再現手順)を標準装備にしたところ、翌月からの月額を上げても継続いただけました。
「成果 × 信頼 × 再現性」が価格の根拠です。
価格の基本式(価値思考)
どの案件でもここに立ち返れば、“いくらが妥当か”がブレません。
価格 = 期待成果(母数×率×単価の改善額) × リスク低減係数 × 供給希少性
= (Δトラフィック / ΔCVR / ΔAOV) × マージン × 期間 × 信頼
期待成果:AB検証/需要予測/自動化で実額に換算できるか。
リスク低減:再現性(Docker/README/テスト)と運用(スケジュール/監視)の有無。
希少性:領域×業界の経験(例:小売×需要予測、SaaS×解約予測)。
アンカリング:見積りは3プラン提示(Lite/Standard/Pro)で“選択の自由”。
年収レンジ(正社員の目安)
昇給のカギは「意思決定の質を上げた事例」を図と数字で語れること。→ [内部リンク:面接で刺さる発表の作り方]
レベル | ミッション | 年収レンジ(目安) | 必須スキル |
---|---|---|---|
ジュニア | クレンジング/可視化/単純モデル | 400–650万円 | Python・pandas・SQL、基本統計、レポート |
中堅 | 需要予測/AB検証/ETL設計 | 600–900万円 | scikit-learn、時系列CV、ダッシュボード、要件整理 |
シニア | 事業KPI設計/モデリング戦略/レビュー | 900–1,200万円 | 実験設計、設計レビュー、運用化、教育 |
TL/アーキ | 横断最適化/MLOps/予算責任 | 1,200–1,500万円+ | MLOps、組織設計、意思決定プロセス設計 |
単価相場(副業/フリーランスの目安)
時間単価の目安(稼働10–40h/月を想定)
- 3,000–5,000円/h:データ整形/可視化/簡易自動化(社内定例)
- 5,000–8,000円/h:AB検証/需要予測ベースライン/ダッシュボード運用
- 8,000–12,000円/h:要件→実装→運用の一気通貫/仕組み化/教育込み
固定・成果ベース例
- 定例レポート自動化:10–30万円/案件(要件→実装→PDF/配布まで)
- 需要予測PoC:20–60万円/品目群(SARIMAX/LightGBM+CV+レポート)
- 異常検知(監視):月額15–50万円(Rules/統計/ML+抑止+Runbook)
- マーケ効果検証:15–40万円(設計→検定→増分売上→資料化)
ポイント
相場より上を狙うには、“静かに回る運用”と“意思決定への翻訳”をセットで出す。→ [内部リンク:データレポート納品テンプレ]/[内部リンク:需要の高い自動化ツール3選]
収益の実計算:時給思考→価値思考
例1|週10h副業(時給6,000円)
売上 = 6,000 × 10h × 4週 = 24万円
実効 = 売上 × 稼働率70% × 手数料90% ≒ 15.1万円
例2|定例レポ自動化(固定20万円)
期待成果 = 人件費(4h/週×5,000×4週) ≒ 8万円/月の削減
回収期間 = 20万 / 8万 ≒ 2.5ヶ月 → 提案妥当
例3|需要予測で在庫損失-2%
対象カテゴリ売上1億/月、粗利30%
効果額 = 1億 × 0.3 × 2% = 60万円/月 → 月額30万円提案も妥当
価値を生む“スキルの育て方”(180日)
- Day1–30|基礎×可視化:pandas/SQL、図の型(推移/寄与/誤差/意思決定)。→ [内部リンク:pandas基礎]/[内部リンク:可視化ベストプラクティス集]
- Day31–90|検証×自動化:時系列CV/AB検定、papermill→nbconvertでPDF自動化。→ [内部リンク:需要予測ミニプロジェクト]/[内部リンク:データレポート納品テンプレ]
- Day91–150|運用×監視:APScheduler/cron、抑止/デダプ/JSONログ。→ [内部リンク:自動化:スケジューリングと業務改善の型]/[内部リンク:勤怠/売上の異常検知]
- Day151–180|提案×交渉:増分売上の計算、3プラン見積り、証拠(Before/After)。→ [内部リンク:見積り・契約・著作権]
見積りテンプレ(コピペOK)
件名:需要予測レポート運用(週次)ご提案
期間:3ヶ月(自動更新)
体制:担当1名(ふみと)
納品:PDF/Excel/ダッシュボードURL、週次MTG30分
範囲:要件再整理→ETL→ベースライン→SARIMAX/LightGBM→CV→レポート→監視
価格:
Lite 150,000円/月(ベースライン+PDF)
Standard 250,000円/月(モデル+CV+PDF/Excel)
Pro 350,000円/月(監視/アラート+ダッシュボード+教育1h/月)
支払:月末締め翌月末振込
条件:PII非保持、再委託なし、知財は貴社帰属(成果物)
特典:初月解約可(全額返金)、SLA:MTTR24h
単価を上げる6ステップ
- “円で説明”の練習(効果額→回収期間)。
- 成果物テンプレを作り、1コマンドで再現できる形に。
- 事例PDF(1枚)を3本作る(需要予測/AB/自動化)。
- 3プラン見積りを常備(Lite/Standard/Pro)。
- レビュー/紹介の声を1行で集める(実名/匿名)。
- 値上げ宣言の台本を準備(30日後適用、既存は据置/移行プラン)。
運用の安定化(監視/抑止/Runbook)を標準装備とするため、
来月よりStandard月額を25→28万円へ改定します。
既存ご契約は据置(24年12月末まで)/Proへ移行の方は据置+教育1h追加でご提供します。
交渉と信頼のコツ
- 先に価値、後で価格:先に意思決定の改善を定量化し、最後に価格を出す。
- 代替案:予算が合わない時は範囲/頻度を調整してLiteへ誘導。
- リスク反転:返金/無料リトライを明記して不安を最小化。
- “できません”と言う勇気:PIIの取り扱い/無理スケは断る。→ [内部リンク:見積り・契約・著作権]
タイプ別の“第一手”
- 社会人キャリアチェンジ:社内の定例レポート自動化を1本やり、回収期間で説明。→ [内部リンク:需要の高い自動化ツール3選]
- 副業志向:天気×家計簿などミニアプリで成果物を見せ、月次運用を提案。→ [内部リンク:WebAPI連携ミニアプリ]
- 主婦/夫×在宅:週10hテンプレで可視化→自動化へ。朝活×運用で信頼を積む。→ [内部リンク:在宅×Python:子育てと両立する1日1時間学習術]
今日やること(60分)
- 効果額の計算(現在のKPIから、母数/率/単価の改善シナリオを1つ)。
- 3プラン見積りを1本書く(Lite/Standard/Pro)。
- 事例1枚PDFを作る(結論→根拠→示唆→次の一手)。→ [内部リンク:データレポート納品テンプレ]
まとめ:収入は“設計”で上がる
P:時間売り/翻訳不足/信頼欠如で伸びない。
A:価値式×テンプレ×証拠で価格を作る。
S:年収レンジ/相場/計算例/見積りテンプレ/6ステップ/交渉のコツを提供。
O:3プランの価格設計と事例PDFで即提案可能に。
N:社会人/副業/在宅の3タイプ別に第一手を提示。
A:今日60分で効果額→見積り→1枚PDFを仕上げる。
伴走:あなたの“価格表”を一緒に作ります
無料カウンセリング/体験で、効果額の設計→3プラン見積り→成果物テンプレ→運用設計まで伴走。値上げ台本まで準備します。
TechAcademy データサイエンスコース(受講料:174,600円~ ※更に割引あり)

株式会社キカガク AI人材長期育成コース(受講料:237,600円~)

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