
「このスクール、高い?それとも安い?」
結論:「高いか安いか」は“値札”ではなく回収できるかで決める。
本記事は、受講費を年収アップと副業収益の両輪で回収するための「キャッシュフロー・テンプレ」を配布します。
指標は回収月数(Payback)、損益分岐(Break-even)、期待値(EV)、NPV、感度分析の5つ。
この記事の手順どおりに数字を入れるだけで、30分で計算→意思決定まで到達できます。
この記事で身に付く力
-
受講費の回収を式と表で可視化できる
-
成功確率を織り込んだ“期待値(EV)”で意思決定できる
-
単価×稼働などのレバーで、損益を設計・改善できる
所要時間の目安:数字を入れるだけで30分で計算〜意思決定まで到達できます。
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まずは判断フレーム:値札ではなく、キャッシュフロー
「33万円は高い?安い?」では議論が止まりがち。
そこで、いつ・どのくらいの確度で回収できるかを先に決めます。
以下の5指標を揃えると、迷いがスッと消えます。
1.回収月数(Payback)
2.損益分岐(Break-even)
3.期待値(EV)
4.NPV(正味現在価値)
5.感度分析(Sensitivity)
ポイント:副業と転職は併用してOK。
月次の“増分キャッシュ”を合算し、そこに成功確率を掛けて“現実的な見込み値(EV)”で判断します。
回収を“式と表”で決める:5つの指標
定義(コピペOK)
- 回収月数(Payback):
回収月数 = 受講費 / 月次増分キャッシュ。月次増分の例:
・転職:(新年収 − 現年収) / 12 × (1 − 税・社保率)
・副業:(月売上 − 変動費 − 自己工数コスト) - 損益分岐(Break-even):
必要時給 = 受講費 / (予定稼働時間合計)
(例:6ヶ月×月30h=180hなら時給5,000円で回収=90万円相当)。 - 期待値(EV):
EV = 成功確率 × 年間増分 − (1 − 成功確率) × 追加コスト(成功確率は保守的に)。 - NPV(正味現在価値):
NPV = Σ ΔCF_t / (1+r)^t − 受講費(割引率は年4%→月0.33%など)。 - 感度分析:成功確率/単価/稼働/内定時期/税率で±10%の揺れを検証。
Excel/スプレッドシート雛形(貼るだけ)
下の表をそのままスプレッドシートに貼り、値を自分用に更新してください。
| 変数 | 値 | 説明 |
|---|---|---|
| 受講費(税込) | 330,000 | 例:33万円 |
| 学習期間(月) | 3 | 例:3ヶ月 |
| 転職:新年収 | 5,500,000 | 内定見込み年収 |
| 転職:現年収 | 4,600,000 | 現在年収 |
| 税・社保率 | 0.22 | 手取り換算(概算) |
| 転職成功確率 | 0.5 | 保守的に0.5 |
| 副業:月売上 | 60,000 | 月の受注売上 |
| 副業:変動費 | 5,000 | ツール/外注/交通費など |
| 自己工数コスト(時給) | 2,000 | 自分の時給評価 |
| 副業:稼働時間/月 | 20 | 20h/月 |
| 副業成功確率 | 0.6 | 保守的に0.6 |
| 割引率(年) | 0.04 | 年4% |
計算セル(例)
| 指標 | Excel式(例) | 説明 |
|---|---|---|
| 転職の月次増分 | =((新年収-現年収)/12)*(1-税率) | 手取りベース |
| 副業の月次増分 | =月売上-変動費-自己工数コスト*稼働時間 | 実質の増分 |
| 合計月次増分 | =転職の月次増分+副業の月次増分 | 併用可 |
| 回収月数 | =受講費/合計月次増分 | 何ヶ月で回収? |
| 必要時給(副業) | =受講費/(学習期間*稼働時間/月) | 損益分岐の目安 |
実務メモ:回収月数だけでなくNPVも併記すると、回収タイミングと投資妙味の両方が比較しやすくなります。
Pythonで一発計算(コピペ可/初心者向けに丁寧に解説)
このコードで“何が”分かる?
- 回収月数/必要時給/24ヶ月NPV
- 転職・副業それぞれの月次の増分
- 期待値(成功確率込み)の合計月次増分
import math
# === 1) 入力パラメータ(ここを自分の数字に置き換える) ===
fee = 330_000 # 受講費(円)
months_learn = 3 # 学習期間(月)
salary_new = 5_500_000 # 転職後の年収(見込み)
salary_now = 4_600_000 # 現在の年収
rate_tax = 0.22 # 税・社保の概算(手取り率 = 1 - rate_tax)
p_job = 0.5 # 転職成功確率(0〜1)
side_rev = 60_000 # 副業の月売上
side_var = 5_000 # 副業の変動費(ツール・外注など)
hour_cost = 2_000 # 自分の時給評価(自己工数コスト)
hours_per_m = 20 # 副業の稼働時間/月
p_side = 0.6 # 副業成功確率(受注継続できる確度)
r_year = 0.04 # 割引率(年率)
# === 2) 月次の増分キャッシュフローを計算 ===
# 転職で増える手取りの“月次”見込み額
# 年収差を12で割り、税・社保を控除して、月額の“手取り増分”に変換
delta_salary_m = ((salary_new - salary_now) / 12) * (1 - rate_tax)
# 副業で増える“実質の月次”見込み額
# 売上から変動費と自分の工数(時給×稼働)を引いたもの
delta_side_m = side_rev - side_var - hour_cost * hours_per_m
# 期待値(EV):成功確率を掛けて“現実的な見込み”に調整
# 例:5万円の増分でも、成功確率50%ならEVは2.5万円
delta_total_m = delta_salary_m * p_job + delta_side_m * p_side
# === 3) 意思決定に使う指標を出力 ===
# 回収月数:何ヶ月で元が取れるか(0除算を避けるためmaxを使用)
payback_m = fee / max(delta_total_m, 1)
# 必要時給(損益分岐の目安):学習期間中にこの時給で稼げれば回収
need_wage = fee / (months_learn * hours_per_m)
# NPV(24ヶ月):将来の増分キャッシュを現在価値に割り戻して受講費と比較
r_month = (1 + r_year) ** (1/12) - 1
npv = sum(delta_total_m / ((1 + r_month) ** t) for t in range(1, 25)) - fee
print({
"delta_salary_m": int(delta_salary_m), # 転職の月次増分(手取り)
"delta_side_m": int(delta_side_m), # 副業の月次増分(実質)
"delta_total_m(EV)": int(delta_total_m), # 合計月次増分(期待値)
"payback_m": round(payback_m, 1), # 回収月数(ヶ月)
"need_wage": round(need_wage, 1), # 必要時給(円)
"npv_24m": int(npv) # NPV(24ヶ月)
})使い方のコツ(初心者むけ)
hour_cost(自己時給)の妥当性を見直す(市場の単価より大幅に低い/高い場合は再設定)- まずは配布値のまま実行→出力の意味をコメントで確認
- 次に、
p_jobやp_sideを悲観/中央/楽観の3水準に振って比較
ケーススタディ(3タイプ)
1) 社会人(転職)
受講費33万円、現年収460万→内定見込み550万、転職成功確率0.5。
- 増分(月):
((550-460)/12)*(1-0.22) ≈ 5.9万円→ 期待値=約2.95万円 - 副業:開始3ヶ月はゼロ、その後1万円/月(確率0.5→期待値0.5万円)
- 合計期待値:約3.45万円/月 → 回収約9.6ヶ月
打ち手: 面接前にGit/pytest/CIの証跡を作り、内定時期短縮で回収を前倒し。
2) 副業目的(稼ぎたい)
月20h稼働、売上6万円、変動費5千円、自工賃2千円/h。
- 副業増分:
6万−5千−2千×20=1.5万円、成功確率0.6→期待値0.9万円 → 回収約36.7ヶ月(遅い)。 - レバー:単価+2千円/hで期待値1.74万円→回収約18.9ヶ月。稼働+10hで期待値2.94万円→回収約11.2ヶ月。
→ 単価×稼働で一気に改善。
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3) 在宅メイン(主婦/夫)
夜活中心で月15h稼働。売上4万円、変動費4千円、自工賃1,500円/h。
- 副業増分:
4万−4千−1,500×15=1.35万円、成功確率0.6→期待値0.81万円 → 回収約40.7ヶ月。 - レバー:非同期対応×速い質問初動のスクールで詰まり時間を削減→稼働を20hに。
Excel×レポート納品で月売上+2万円 → 期待値0.96万円、回収約34.4ヶ月。
家族合意メモで固定スロットを確保。
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