
「未経験からデータ職に応募しても通らない…何を直せばいい?」
結論:履歴書でポテンシャル、職務経歴書で実務の再現性を示すのが王道です。
本記事は、採用側/伴走側の両視点(筆者:現役DS10年)から、職務経歴書テンプレ(1枚/2枚)、ATS最適化、職種変換の翻訳表、実務再現型ポートフォリオ(PF)の作り方、NG→改善例、提出順までをコピペ可でまとめました。
この記事で身に付くこと
- 落ちる理由→通る型への置き換え方が分かる
- PFを「実務の再現」に変える手順が分かる
- ATS最適化で求人票とズレない書き方が分かる
未経験応募が落ちる「よくある3つの壁」
まずは“落ちる理由”をつぶしましょう。私がレビューした中で頻出のボトルネックはこの3つ。
- 作業羅列で「成果」が無い:業務効果・数値・意思決定への翻訳が書かれていない。
- PFが「Kaggle結果だけ」:
再現手順/Git/テスト/CI
が無く、実務接続が見えない。 - ATS/採用要件とズレ:キーワード(SQL/ETL/可視化/評価指標)が不足、要件への回答になっていない。
解決の全体像(3ステップ)
- PFで実務を再現(疑似データでも可・手順は
README
化) - 職務経歴書で定量化(
時間削減/指標/施策
に翻訳) - ATSキーワードで求人票と文言を合わせる
職務経歴書テンプレ(1枚/2枚)——まずは「1社1改善」
テンプレはそのままコピペ→必要箇所だけ置換で使えます。求人票の語彙に合わせて微修正(1社1改善)するのがポイント。
# 職務経歴書(1ページ)
氏名:○○ ○○|メール:xxx|GitHub:github.com/xxx|Qiita/Blog:xxx
志望職種:データサイエンティスト/データアナリスト
■ 職務要約(3〜4行)
事務/マーケ職としてExcel/SQLでの集計とレポート運用を担当。個人でPython自動化と可視化ダッシュボードを構築。Git/pytest/CIで再現性を担保した**業務再現PF**を3件公開。KPI設計〜レポート〜施策提案まで一気通貫で実施。
■ スキル(ATSキーワード)
Python(pandas/numpy/scikit-learn)|SQL(JOIN/集計/ウインドウ)|ETL|可視化(Matplotlib/Plotly)|統計(平均/分散/母比率)|評価(PR-AUC/MAE/CV)|Git/GitHub|pytest|CI|BI(Tableau/Power BI)
■ 実務再現PF(3件)
1. 解約予測(分類|PR-AUC 0.78, CV±0.03)
* 目的:解約率の低減(KPI: PR-AUC, Lift\@Top10%)
* データ:疑似生成スクリプト+データ辞書(個人情報非含)
* 再現:`make all`(features→train→evaluate)、`pytest -q`通過、ActionsでCI
* 打ち手:スコア>0.8をCS架電対象とし、月間架電300件→想定CV向上+1.5pt
* URL:GitHubリンク
2. 月次KPIレポート自動化(ETL/可視化)
* CSV→整形→Excel/PDF→メール送信。運用時間**60分/回→10分**
* URL:GitHubリンク
3. 需要予測(回帰|MAE 12.4)
* ラグ/移動平均/曜日特徴、CV±stdを提示。閾値で安全在庫提案
* URL:GitHubリンク
■ 職務経歴(直近から)
20xx/04〜 現職(営業事務)
* 受発注データの月次集計(Excel→SQL化)。**月10hの工数削減**
* 週次レポートの可視化(折れ線/棒/100%積上げ)。**会議時間-15分**
■ 学習・資格
* JDLA E資格学習中/統計検定2級/TOEIC805
■ 志望動機(2〜3行)
SQL/ETL→可視化→施策提案の実務再現PFを**貴社の○○事業**に適用し、\*\*KPI(例:解約率)\*\*の改善に貢献したい。
# 職務経歴書(2ページ)
[1Pは同じ。2Pに詳細PFと成果の数値化を記載]
■ PF詳細(解約予測:分類)
* 指標:PR-AUC, Recall\@0.7閾値、CV 5fold(±0.03)
* リーク対策:時系列分割、IDリーク検査
* 運用:スコア配信のバッチ/監視指標/再学習方針
* 成果翻訳:架電の**精度×件数**でCSコストの期待削減を算出
■ 実務での再現(社内ミニ案件)
* 請求書チェックの自動化(pandas)→**月2h削減**
「今の仕事」をDS文脈に写し替える——職種変換の翻訳表
未経験でも言い換えで価値は伝わります。下表をコピペして書き換えてください。
元の職務 | DS/DA文脈への翻訳 | 書き方例 |
---|---|---|
営業事務 | データ整形/定例レポート運用 | 受発注CSVをSQL化し、月次集計を自動化(月10h削減) |
営業 | 施策評価/KPI運用 | キャンペーンA/BのCVR+0.8pt、ダッシュボード運用 |
カスタマーサポート | ラベリング/テキスト分類 | 問い合わせタグ自動付与で対応時間-15% |
EC運用 | 需要予測/在庫最適化 | 在庫閾値の見直しで欠品-12% |
ポイントは数値化(削減時間/率、CVR、MAE等)と意思決定への翻訳です。
ATS最適化——求人票→キーワード抽出→反映
- 求人票から抜き出す:
SQL/ETL/可視化/評価指標/業界語
- 職務要約/スキル欄に同義語も含めて反映(例:PR-AUC≒ROC AUC表記)
- PFタイトルにも要件語を入れる(例:
marketing_churn_prediction
)
ATSチェックリスト
- SQL/ETL/可視化/評価指標/クラウド/BIの語が入っている
- 職務要約は3–4行で要件に回答
- GitHub/ポートフォリオURLをヘッダに
- 1ページ版はPDFで1MB以内、フォント埋め込み
- ファイル名:
Resume_Name_DS_YYYYMM.pdf
NG→改善例(Before/After)
NG:「Pythonを勉強中。Kaggleでスコア向上。」
改善:「解約予測(分類)をPR-AUC 0.78 (CV±0.03)で構築。make all
で再現、pytest -q
通過、CIで自動テスト。架電閾値0.8でRecall 0.6の運用提案。」
NG:「データ分析が好きで…」
改善:「受発注CSVのSQL化で月10hの手作業を削減。会議15分短縮のダッシュボードを運用。」
実例テンプレ:プロジェクト要約(STAR+指標)
◆ 解約予測(分類)
- S(状況):解約率上昇でCS負荷が増加
- T(課題):高リスク顧客の早期抽出(PR-AUCを主指標)
- A(行動):特徴量設計(利用頻度/課金履歴)、CV5fold、閾値0.7
- R(成果):PR-AUC 0.78、Recall@0.7=0.60、架電対象をTop20%に集中
◆ 月次KPIレポート(ETL/可視化)
* S:営業会議の資料作成に毎回60分
* A:CSV→整形→Excel/PDF→メール送信を自動化
* R:**60分→10分**、エラーログで再現性担保
◆ 需要予測(回帰)
* A:ラグ/移動平均/曜日特徴、MAEで評価
* R:**MAE 12.4**、安全在庫の見直し案を提示
提出順と束ね方(通過率を上げる順序)
- 1ページ職務経歴書(ATS用)
- PF目次(1枚):3案件の目的/KPI/結果だけを図1枚で
- GitHubリンク:
README
に再現手順/CIバッジ - 2ページ版(面接用):詳細は当日提示
監査と法務メモ(安心のために)
- 個人情報を入れない:PFは疑似データか公開データ
- 著作権:他社の図表/ロゴの無断使用は避ける
- 守秘義務:社内数値は比率/疑似で表現
スクール選びのヒント(無料カウンセリングで“差し戻し基準”を確認)
差し戻しが厳しいスクールほど、実務に強いPFが仕上がります。無料カウンセリング/体験でレビュー頻度/基準を数字で確認しましょう。
- 株式会社キカガク:業務再現型とレビューの具体性が強み。Git/pytest/CIも相談しやすい。
- Tech Academy:質問初動の速さ×時間帯の柔軟性。在宅/副業と相性◎。
TechAcademy データサイエンスコース(受講料:174,600円~ ※更に割引あり)

株式会社キカガク AI人材長期育成コース(受講料:237,600円~)

読者タイプ別の進め方(目的に合わせて最短ルート)
- 社会人(転職):1ページATS版→PF目次→GitHubの三点セットで10社出す。→ [内部リンク:受講費の投資回収シミュレーション]
- 副業目的:レポート自動化の成果を社内導入→実績に変換。→ [内部リンク:データレポート納品の型]
- 主婦/夫(在宅):非同期SLAが強い支援で詰まり時間を削減。夜活60×2+朝15×3を固定。→ [内部リンク:主婦/夫に優しいスクール比較]
今日やること(60分)
- 求人票からキーワードを抽出(SQL/ETL/可視化/評価指標/業界語)。
- 1ページATS版をテンプレで作成(PF3件のURL付き)。
- GitHubのREADMEに再現手順/CIバッジを追記。
- 10社へ応募(1社1改善)。
- 面接LTの骨子(5〜10分)を作成。→ [内部リンク:面接で刺さる発表の作り方]
テンプレ(職務要約 120〜150字)
Excel/SQLでの集計・レポート運用を担当。個人開発でPython自動化とダッシュボードを構築。Git/pytest/CIで再現性を担保した業務再現PF(解約予測/需要予測/レポート自動化)を公開し、KPI設計〜施策提案まで一気通貫で実施。
この記事から次に読むべきもの(内部リンク)
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