
「パソコンの準備、これで足りてる?」「時間も数学も不安…初日からコケたくない…」
大丈夫。学習の失敗の多くは“才能不足”ではなく“準備不足”です。
この記事でわかること
- 未経験でも3時間で完了する受講前の準備手順
- PCスペック早見表/環境構築2ルート(Anaconda・venv)/動作確認スクリプト
- 週10時間×12週間の時間設計テンプレと家族合意メモ
- “最小限の数学”と5問ドリルで不安を解消
※料金・制度・仕様は変動します。最終判断は各公式情報でご確認ください。
最初の壁は“準備”にある——よくある3つのつまずき
- 環境が動かない:Pythonが複数入って衝突/ライブラリが入らない/Jupyterが開かない。
- 時間が確保できない:やる気はあるのに固定スロットがない。
- 数学に怯む:式から入って手が止まる。
先に仕組みを整えれば回避できます。以下を上から順にチェックしていきましょう。
受講前“3分診断”|YES/NOで判定
- PC:メモリ8GB+、SSD256GB+(空き80GB以上)、OSはWindows10/11 or macOS12+、回線上り/下り30Mbps+。
- 環境:
python --version
が3.10〜3.12、pip
とjupyter lab
、VSCode(code
)が起動。 - 時間:週10時間の固定スロットがカレンダーにある。
- 数学:平均・中央値・分散・標準偏差/PR-AUC・MAEを説明できる。
- 家族合意:学習時間と家事の再配分、緊急時の中断OKを共有済み。
※一つでもNOなら、該当セクションを実施しましょう。
ふみと(筆者)は大手企業でデータ/マーケティングサイエンティストとして10年、新人育成・転職支援で100名以上を伴走してきました。初週で止まった方の多くは、PC/時間/数学/質問の“初期設定”に穴がありました。本記事ではその穴を先回りで塞ぎます。
1. PC準備:スペック早見表(用途別)
用途 | 最低ライン(学習用) | 推奨ライン(実務寄り) | メモ |
---|---|---|---|
CPU | 第8世代Core i5 / Ryzen 5 相当 | 第11世代以降 i5/i7 or Ryzen 5/7 | 省電力Uでも可/動画編集は除く |
メモリ | 8GB | 16GB | ブラウザ多タブなら16GB |
ストレージ | SSD 256GB(空き80GB+) | SSD 512GB | HDDは避ける |
OS | Windows10/11 or macOS 12+ | 同左 | MシリーズMacは快適 |
GPU | 不要 | 任意 | DLはクラウド併用でOK |
ディスプレイ | 13〜14インチ | 外部モニタ23〜27インチ | 画面領域=作業効率 |
ネット | 上下30Mbps+ | 100Mbps+ | 有線/5GHz推奨 |
低スペック救済:クラウド環境を併用([内部リンク:低スペックPCでも学べる?クラウド環境の使い方])。
周辺機器:外付けSSD(バックアップ)、静音マウス、Webカメラ、ヘッドセット。
2. 環境構築:2ルート(Anaconda/venv)
迷ったらAnaconda、将来の本番運用を見据えるならvenv+pipも押さえましょう。詳細は[内部リンク:環境構築完全ガイド:venv/pip/Anacondaの使い分け]へ。
2-1) ルートA:Anaconda(手早く一式)
conda create -n py311 python=3.11 -y
conda activate py311
pip install numpy pandas matplotlib scikit-learn jupyterlab
python -c "import sys, numpy, pandas, matplotlib, sklearn; print(sys.version); print('OK')"
2-2) ルートB:venv+pip(軽量・本番に近い)
python3 -m venv .venv
# Windows: .venv\Scripts\activate
# macOS/Linux: source .venv/bin/activate
python -m pip install --upgrade pip
pip install numpy pandas matplotlib scikit-learn jupyterlab
2-3) VSCode+Jupyterの準備
- VSCodeを導入し、Python拡張機能を追加。
jupyter lab
または VSCode のNotebook機能が起動すればOK。- グラフの日本語フォント崩れは、画像出力(PNG/PDF)で確認。
2-4) 動作確認ノートブック(コピペ可)
import numpy as np, pandas as pd, matplotlib.pyplot as plt
from sklearn.linear_model import LinearRegression
# 1) pandas
s = pd.Series(\[1,2,3])
assert s.sum() == 6
# 2) Matplotlib
x = np.arange(10)
y = x \* 2 + 1
plt.plot(x, y); plt.title('check'); plt.savefig('check.png'); plt.close()
# 3) scikit-learn
X = x.reshape(-1,1)
m = LinearRegression().fit(X, y)
print('coef:', m.coef\_\[0], 'intercept:', m.intercept\_)
print('ALL GREEN')
トラブル対処のヒント
- インストール失敗:
python -m pip install --upgrade pip setuptools wheel
→再実行。 - 権限エラー:プロジェクトをユーザーディレクトリ直下に。
- 複数Python:
where python
(Win)/which -a python
(Mac/Linux)で経路確認。
3. 時間設計:週10時間×12週間テンプレ(固定スロット)
学習は“空いたらやる”ではなく“先に枠を作る”が勝ち筋。ふみとの受講生でも、枠をカレンダーに固定した人ほど挫折率が低下しました。
3-1) 週間タイムブロック(例)
月:06:00-06:30(動画)/22:00-23:00(演習) 火:06:00-06:30(復習) 水:06:00-06:30(動画)/22:00-23:00(課題) 木:06:00-06:30(復習) 金:06:00-06:30(動画) 土:09:00-10:30(課題) 日:21:30-22:30(KPT/週次ふりかえり) → 合計 約10h(朝15分×3枠は“詰まり”解消に最適)
3-2) 学習ログ(テンプレ)
| 日付 | 時間(h) | トピック | 成果 | 詰まり | 次アクション | |---|---:|---|---|---|---|
3-3) 家族合意メモ(在宅向け|コピペ可)
【期間】2025/10/01〜2026/01/15(12週間) 【固定スロット】朝6:00-6:30(月水金)/夜22:00-23:00(火水日) 【約束】緊急時は即中断OK・翌日振替/週1で進捗共有15分
詳細は[内部リンク:在宅×Python:子育てと両立する1日1時間学習術]へ。
4. 最小数学:ここだけ押さえる(文系OK)
- 代表値:平均・中央値・分散・標準偏差(ばらつきの直感)
- 評価指標:分類=PR-AUC/回帰=MAE(“外し幅”の平均)
- 交差検証(CV):分割→平均±標準偏差で安定性を確認
- 確率直感:サイコロの期待値・比率の解釈
5問ドリル(コピペ可)
Q1: 平均=10, 標準偏差=2のとき、±1σ範囲は? Q2: 10回中3回成功の確率を%で。 Q3: PR-AUCが0.5→0.6に上がる意味は? Q4: MAEが100→80に下がった。解釈は? Q5: CVの結果 0.72±0.03 をどう評価する?
>>実務で使える統計の型12 | Pythonで最短習得
>>【保存版】モデル評価:指標の選び方・交差検証・閾値最適化・ビジネス接続を“実務の型”で解説
5. Git/GitHub初期設定(証跡化)
- GitHubアカウント作成→
python-study
リポジトリ作成。 - 初回コミット:
README.md
(目的/使い方/次アクション)。 .gitignore
例:__pycache__/
,.ipynb_checkpoints/
,.venv/
,*.csv
(個人情報はコミットしない)。- 週1で
KPT.md
を更新(Keep/Problem/Try)。
6. “Day0”45分セットアップ手順(実行用)
# 1) プロジェクト作成
mkdir pykick && cd pykick
python -m venv .venv && source .venv/bin/activate # Windowsは .venv\Scripts\activate
python -m pip install --upgrade pip
pip install numpy pandas matplotlib scikit-learn jupyterlab
# 2) 動作チェック
python - <<'PY'
import numpy as np, pandas as pd
print('numpy', np.**version**, 'pandas', pd.**version**)
PY
# 3) Notebook起動
jupyter lab # ブラウザが開けばOK
import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt
s = pd.Series([1,2,3,4])
s.plot(title='ok'); plt.show()
7. よくあるトラブルと対処
- Jupyterが開かない:ブラウザをChrome/Edgeに変更/URLバーの
token=
をコピペ。 - pipでビルド失敗:
--only-binary :all:
のホイールがある最新版へ変更、またはバージョン固定。 - 会社PCで権限なし:ポータブルPython/社内承認フォームを先に提出。
- Wi-Fi不安定:モバイル回線をテザリングでバックアップ。
8. 初週から伴走が欲しい人へ(無料カウンセリング)
質問初動とレビュー運用が速い環境は、初期の“詰まり”を劇的に減らします。迷ったら無料カウンセリング/体験で自分の生活に合うか確認を。
TechAcademy データサイエンスコース(受講料:174,600円~ ※更に割引あり)

株式会社キカガク AI人材長期育成コース(受講料:237,600円~)

9. タイプ別・準備の重点
- 社会人(転職):VSCode+Gitを即導入/ポートフォリオの雛形を用意。
>>【保存版】データ職のポートフォリオ完全ガイド|再現性・評価・LTまで - 副業目的:Excel自動化の雛形とレポート納品テンプレを先に準備。
>>【保存版】データレポート納品の型:要件定義→ETL→検証→可視化→Excel/PDF→引き継ぎまで、失注しないワークフロー完全版 - 主婦/夫(在宅):非同期SLAが強い支援環境を確認+家族合意を先に締結。
>>【保存版】主婦/夫に優しいスクール比較:時間帯・オンライン完結性 | 家事・育児と“両立”で選ぶ完全ガイド
10. 今日やること(30分)
- 「3分診断」でNOを特定→該当セクションを実施。
pykick
プロジェクトを作って動作確認まで完了。- カレンダーに固定スロットを登録し、家族合意メモを送る。
- 無料カウンセリングを2校予約し、質問初動・在宅適性の数字を文面でもらう。
次に読むべき記事(内部リンク)
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